山型にくらべる

同じお花からとった種でもひとつひとつ育ち方がちがう。アリははたらき度合いにバラツキがある、らしい。ヒトもそれぞれ背が高かったり運動が得意だったり、あるいはせっかちさんもいれば、マイペースな人もいる。

かつて『私と小鳥と鈴と』を書いた金子みすゞは、ちがう生きもの(とモノ)をそれぞれの得意分野でくらべた訳だけれど、お花とアリとヒトと、それぞれを同じものさしでくらべてみても、ちがいがある。

「あらゆるものは正規分布している」という考えを聞いたことがある。

正規分布とは、あるデータをグラフにしたときに、真ん中が最も高く、両端にいくにつれて低くなっていく、きれいな山型の線を描くことをいう。つまり、その尺度において平均的なものが一番多く、平均から外れれば外れるほど、数が少なくなるということだ。

たとえば身長は分かりやすい。平均的な身長の人は世の中に一番多く、ものすごく低い人や高い人は、滅多にいない。「あらゆるものは正規分布している」ということは、身長だけでなくどんな尺度も同じように、平均的な部分が一番多く、平均から離れれば離れるほど、少なくなっていくということらしい。

この考え方を、せっかち vs. マイペースに当てはめてみても、あながち外れてはいないように思える。平均的な時間感覚の人が大多数いる中で、いつも急いでいる人、いつもゆっくりな人、それぞれだんだんと少なくなっていくような気はする。

この「万物の正規分布論(と仮に呼んでみる)」はほんとうに通用するかわからないけど、もし意外にも当たっているとしたら。今の社会で「正解」とされているものが正規分布しているのかどうか、という尺度で色々見てみるというのも、面白いかもしれない。

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